(c)武田一義・白泉社/2025「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」製作委員会
太平洋戦争の激戦地として知られる ペリリュー島を舞台に、若き兵士たちの姿を描いた武田一義さん原作の劇場版アニメ『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』。
本作の3種の予告編――「過酷な戦場編」「史実編」「友情編」――がYouTubeで公開された。
2025年12月5日、終戦80年という節目に劇場公開されることもあり、原作ファンや歴史作品を愛するアニメファンの間で早くも大きな注目を集めている。
■ “史実編”――ペリリュー戦の実像に迫る映像
👆「史実編」予告では、太平洋戦争末期、”東洋一の飛行場”と呼ばれたペリリュー島で繰り広げられた 日本軍1万人 vs 米軍4万人 の激闘を、史実に寄り添って描写。
映像の締めくくりには、主人公・田丸均の
「君とやり始めたことを僕はやり切るよ」
という心に刺さる台詞が流れ、観る者へ静かな衝撃を残す。
■ “過酷な戦場編”――美しい楽園が一転、地獄の最前線に
👆自然豊かな島が、一瞬にして戦場へと変わってしまう過酷さを切り取ったのが「過酷な戦場編」。
空からの空襲、戦車の轟音、真紅に染まる海――。
圧倒的な暴力の前に、田丸の相棒・吉敷佳助がこぼす
「はなから、勝ち目がない」
という無力さが胸に迫る。アニメーションとしての迫力、そして“生々しさ”が際立つ予告映像だ。
■ “友情編”――戦場を生き抜く若者たちの絆
👆「友情編」では、田丸と吉敷という二人の青年兵の絆に焦点を当てる。
戦闘の最中も、束の間の休息でも、互いを励まし支え合う姿が丁寧に描かれ、
“戦争を描く”だけではない、彼らの日常と心の強さが伝わる仕上がりだ。
この友情こそ、本作が多くの読者に愛されてきた理由でもある。
■ 原作は日本漫画家協会賞・優秀賞作品 スピンオフも展開
原作『ペリリュー』は2016~21年に「ヤングアニマル」で連載され、
2017年には 第46回日本漫画家協会賞・優秀賞 を受賞。
1万人の日本兵が送り込まれ、生還したのはわずか34人と言われるペリリュー島で、
“マンガ家志望の青年・田丸”の視点から戦場の若者たちを描いた名作だ。
スピンオフ『ペリリュー外伝』も人気を博している。
■ 制作陣は実力派揃い シンエイ動画 × 冨岳がタッグ
監督は『魔都精兵のスレイブ』などで知られる 久慈悟郎 氏。
アニメ制作は『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』でおなじみシンエイ動画と、
『ドッグシグナル』などを手がける 冨岳 がタッグを組む。
脚本は原作者の武田一義さんと西村ジュンジさんが自ら手掛け、
物語の核となる“想い”がストレートに映像へ落とし込まれる期待が高まる。
◆ まとめ
歴史の重みを抱えつつも、若者たちの“生きる姿”を描いてきた『ペリリュー』。
3本の予告編は、それぞれ戦場・史実・友情という異なる角度から作品の魅力を浮き彫りにする内容となっている。
終戦80年目に劇場公開される本作が、どんな感情を観客にもたらすのか――今から目が離せない。
(c)武田一義・白泉社/2025「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」製作委員会